ぬか漬けのおいしく発酵した独特の風味は日本人ならではの伝統の味わい・・
野菜の保存技術が未発達だった昔は野菜のぬか漬け保存は大切な野菜保存方法のひとつでした。
野菜の長期保存方法を超えた独特のうまみはぬか床の生きた乳酸菌や天然酵母の働きによるものです。
ところでぬかには米を精米する時に出る生ぬかとこれを煎った煎りぬかがあります。
フレッシュな香りの生ぬかは酸化しやすいので買ってきたらすぐにぬか床に使いましょう。
ぬか床作り基本
同量の生ぬかと水が基本材料です。
これを混ぜ合わせた中にぬかの10%の重さの天然塩を入れ、うまみを足すために昆布を入れたり、好みでトウガラシを入れたりして作ります。
ぬか床うまみ
作りたてのぬかみその床はうま味がありません。
何回も漬けていくうちに発酵したいい香りが出てくると本格的な味になりますが、時間がかなりかかります。
早くおいしい香りと味を出したいときはイースト菌を使って発酵を促すと調子がよいようです。
ぬるま湯に砂糖ひとつまみを入れた中にイースト菌を入れ、大きくふくれたならぬかの中に混ぜ込みます。
スーパーでぬかつきの漬物があったら洗わずに漬け込むという裏技もあります。
ぬか床は毎日かき混ぜる
ぬか床をかき混ぜるのをさぼると異臭がしてきます。
酪酸菌という悪玉菌が繁殖してくるためで、この菌はぬか床の中の炭水化物を分解して酪酸という異臭を出す物質を作り出すのです。
この酪酸菌はとても酸素が苦手な嫌気性菌・・
酸素に触れると数分で死んでしまいます。
だから、1日に1回、ぬか床全体を大きくかき回してやるだけで、酪酸菌の増加が防止できます。
なお、乳酸菌という善玉菌は酸素のあるなしにかかわらず生きていける半嫌気性菌・・
だからぬか床をかき混ぜることで、悪玉菌のみが増加できないというぬか床に好ましい環境が整います。
ぬか床がすっぱくなったら
上手に出来上がったぬか床・・
いろんな野菜を入れてぬか漬けのおいしさを味わいましょう・・
ただし、野菜は水分が多いのが特徴の食材です。
ぬか床に野菜を漬ければ漬けるほど水分が増えてしまいます。
さて、ぬか床水っぽくなると塩分が少なくなりすっぱくなってしまいます。
清潔な布巾で水分を絞り取ったり、塩分を足すのも効果的ですが、すっぱさを取るという即効性がありません。
こうした場合には、清潔にした卵の殻を2~3個分砕いて入れるといいようです。
卵の殻に含まれる炭酸カルシウムが酸を中和するので酸味が消えていくそうです。