昔ながらの野菜の保存方法の一つが乾燥保存・・
乾物保存ともいわれます。
様々な食材の中でも野菜は水分がとりわけ多い食材ですが、野菜を乾燥すると次のような効果があることが知られています。
1.野菜含有水分量が減るので、重さ・かさが減って保存にむく
野菜など、水分の多い食材には、有効な保存方法です。
2.野菜の表面を皮膜することにより、保存性が高まる
長期化保存がおもなら、水分がなくなってカラカラになるまでしっかり干します。
中途半端な乾燥では、カビが発生し、せっかくの乾燥保存も台無しになります。
特に夏野菜は、水分が多い果菜類がメイン。さらに、気候もあいにく高温多湿と乾燥保存に適した季節とはいえません。
かびたり、腐敗したりしやすいので注意が必要。
トマトもドライトマトとして乾燥保存できます・・
野菜のわたや種もカビの原因になるので、きれいに取り除いて干すのがコツです。
一方冬野菜に多い根菜類は乾燥保存にうってつけの野菜・・
おまけに空気も乾燥していて楽に乾燥保存できます。
たとえば、ハクサイ・キャベツなどの葉菜類は大きめに切ったちょっと干しが最適です。
ふつう生野菜のサラダは量が多過ぎてたくさんは食べることはできませんが、かさが減ってたくさん食べられます。
半生のハクサイを千切りにしてみそ汁の実にしてもおいしくいただけます。
3.独特の食感とそれに伴う食味が形成される
野菜を干すと甘みや歯ごたえが増し、うまみも凝縮・・
野菜の乾燥保存は、単に野菜を保存できるだけではなく、おもしろい副次効果があります。
つまり、野菜に含まれる水分量が減るので甘味が凝縮し、生野菜にはなかった歯ざわりが加味されたりするのです。
例えば、乾燥サツマイモ(カンコロイモ)の甘みが増したり、トウガラシの辛みが増したり、ダイコンなどははりはりとした歯ざわりもプラスされて生とは違った独特の味わいが出てくるのはご存知でしょう・・
また、野菜の保存性より野菜の乾燥による歯ざわりを味わいたいなら、しんなりするぐらいの一夜干しで色々な野菜の歯ざわりを楽しむのもおもしろいかも知れません。。
4.野菜の乾燥方法
昔の乾燥方法には自然乾燥つまり、自然界の日光・風を利用する乾燥方法しかありませんでした。
現代では、人工乾燥と呼ばれる機械装置を用いる乾燥方法も広く普及しています。
乾燥といえば、天日乾燥と呼ばれるように日光で乾燥するものと思われがちですが、実は野菜を乾燥させるには、風が大切・・
野菜を上手に乾燥保存するためには、日光の強さ・日照時間よりも適度な湿度や温度などが重要とされています。
洗濯物を上手に乾かすのに、日光より通風が大事なのと同じ理屈なのです。
特に、夏場は直射日光に当てすぎると煮立ってしまって失敗することも・・
一口に野菜の乾燥保存といっても、各地にご当地乾燥ともいえるさまざまな方法があります。
寒風の吹く時期にわらに通して干し上げる方法、
雪降る日も昼夜にわたって凍らせながら干す方法、
太陽の弱い日差しを利用して乾燥させる方法
日陰で乾燥する方法
など、野菜や土地柄=気候によってさまざまな干し方があります。
家庭で野菜を乾燥保存する場合は、乾燥した晴天の日を選び風通しの良い場所で重ならないようにざるなどにに広げて干すのが基本。
さっき説明したように、日干し時間や干し加減は料理や用途に合わせて選びます。