砂糖保存

野菜の保存方法という点では少し逸脱するかもしれませんが、野菜・果物を上手に保存する方法に砂糖を使う方法があります。
シロップ漬け、シロップ煮(コンポート)、ジャムなどが砂糖の防腐性を利用した保存方法・・
 どうして砂糖にすぐれた防腐効果があるのかというと、砂糖は腐敗の原因つまり、カビ、細菌の繁殖に必要不可欠な水分を吸収して生存できない環境にする働きがあるから。
ただし、砂糖が少量だと防腐効果がありません。
ちょっとでも、水分過多だと、カビ、細菌などの繁殖細菌が増殖を始めてしまいます。
防腐効果を出すためには、目安として少なくとも全重量の50%以上の砂糖を使う必要があります。
 なお、砂糖漬け保存は塩漬け、醤油漬けなどに比べると長期保存向きとはいえません・・
どちらかというと、砂糖漬けは第1に食材をよりおいしくするための調理方法で、結果として少し保存性が高まるという感じでしょう・・
 
 砂糖で保存する具体的方法
シロップ漬け
 食材をシロップ(砂糖液)に漬け込むだけの保存方法です。
シロップ漬けも漬物の一種・・
加熱して漬物を作ることがありえないように、シロップ漬けも加熱することはありえません。
漬け込む食材は生に限らず、シャリシャリ感を楽しむために予め食材を湯通しする場合もありますがグツグツ煮たりしない点でシロップ煮と本質的に違うものです。
あらかじめ作ったシロップ液に食材を漬け込むのが基本です。
 ただし、食材に粉砂糖を大量にまぶして2.3日おくと食材の水分が浸透圧で抜け出させてシロップ液状態になるようにする裏技もあります。
 トマトなど水分が多い食材を使うのシロップ漬けに有効。
 濃厚なおいしいシロップ液を作ることができます。
なお、シロップ漬けは砂糖による腐敗防止効果は期待できても、しょせんは加熱もしない生の保存方法です。
 常温保存は厳しく、冷蔵保存でも2.3日で食べ切るようにしましょう。
シロップ煮(コンポート)
コンポート(compote)は、フルーツをシロップやワインで煮こんだ菓子。
日本語でシロップ煮と訳されています。
広い意味では、フルーツに限らず鳥や野菜をワインで煮込んだものもコンポートとよばれています。
 ジャムの親戚ともいえますが、ジャムに比べて、果実そのものの食感や風味が残っており、糖度も低いため未熟なジャム?といった感じでしょうか・・
シロップ煮の身近な例は白桃、西洋ナシ、ミカン、パインなどのの缶詰ですが、シロップ煮はイチゴをはじめ、、イチジク、リンゴ、クリなどで楽しむことができます。
ジャムにできるフルーツは基本的にシロップ煮でも楽しめると考えて良いでしょう。
 なお、果実そのものに甘みが少なくおいしくないときなどに、砂糖の甘味を強制的に移しておいしく頂くためにシロップ煮にするのが昔からの主婦の知恵・・
 
  

ジャム
ジャムはシロップ煮(コンポート)と砂糖の割合や煮詰め方が違うだけで調理の基本は変わりません。
ただ、注目したいのはジャムにはシロップ漬けやシロップ煮とは比べ物にならないほどの長期保存効果があるということです。
 砂糖に防腐効果があることは上述しましたが、さらに砂糖にはフルーツのペクチンをゲル化させかつ水分活性を抑える効果が知られています。
 果物に含まれるペクチンがゼリー状に固まったものがジャムやマーマレード特有のどろどろした状態。
これはペクチンがゼリー化するのは、砂糖がペクチンを網目のようにつなぎ、水を抱え込むためです
この2つの砂糖の効果によりシロップ漬けやシロップ煮とは比べ物にならないほどの長期保存効果が出てきます。
ジャムに適した食材は、イチゴやリンゴなど多くのフルーツのほかに、トマト、ニンジンやルバーブなどの野菜ジャムもヘルシー。
ナツミカンやユズなどの柑橘類の皮と果汁で作るマーマレードはおいしいのですが、皮に含まれる残留農薬や保存、美観を高めるために塗られるワックスが気になるところ・・
 無農薬、ノーワックスの自家果樹園製なら安心して使えますね。


 

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