つまり、じゃがいもはあくまで「茎」ですから日光を当てれば緑色になり、芽が出てきます。
萌芽したジャガイモは栄養分を出芽に使いますのでジャガイモを上手に長期間保存するためには、萌芽をなるべく抑える必要があります。
原産地のアンデス高原・・野生のジャガイモの根茎は出芽するまでの間地中で上手に貯蔵されたからこそ現在まで生き残っているのですから、ジャガイモの理想的な保存方法は収穫せずに地中にそのまま貯蔵し、発芽直前までに食べることかも知れませんね。
それでは、収穫後のジャガイモを上手に保存するためにはどうすればいいのでしょうか?
内生休眠
ジャガイモは収穫後に発芽条件が整っても一向に発芽しない期間があります。
この期間はジャガイモの品種によって大きく異なり、インカゴールド、インカのめざめなどでは短く十勝こがねなどでは長期間。
この内生休眠期にあるジャガイモは発芽条件が整っても一向に発芽しない状態なのでそのまま放置しておけばいいということになりますが、休眠状態を邪魔しないように7℃~15℃位の温度で念のためダンボール箱や麻袋、紙袋などにいれて、または新聞紙などでつつんで保存しましょう。
外生休眠
内生休眠を過ぎると発芽条件が整えば萌芽してきますが、 内生休眠が解除された後もジャガイモを2℃程度の比較的低い温度で貯蔵すると、萌芽せず休眠状態が維持されることが知られています。
この2℃という微妙な温度管理ができればいいのですが一般家庭では無理かも知れませんね。
例えば、冷凍庫は0℃以下だから凍害を起こしますし、かといって冷蔵庫や野菜室の4℃~5℃の環境では休眠には温度が高過ぎてジャガイモの食味が変化してしまいます。
具体的には、目覚めたジャガイモは低温から身を守るためデンプンを糖分に変えて凍害を防ごうとしますがデンプンが糖分へと変わったジャガイモは甘味が増す反面ジャガイモ特有のホクホク感が消えて水っぽくなる傾向にあります。
従って冷蔵保存は2.3日程度の短期間の貯蔵には良いのですが、食味が変化することに加えて、冷蔵庫内は乾燥気味・・
ジャガイモの水分が抜けやすく、水分が抜けたジャガイモはシワシワになって著しく食味を損ないます(サツマイモのようにしみたりはしませんが・・)。
長々と説明しましたが、まとめてみます。
収穫後の休眠期間内はそのまま保存できます。
が、ジャガイモの品種によって決まっている休眠期間を経過した後のジャガイモの保存が問題・・
2℃という微妙な温度管理が可能な方は強制休眠で長期保存が可能ですが、家庭の冷凍庫も冷蔵庫も温度が合わず、おまけに乾燥しているのでまねしてもシワシワのジャガイモになってしまうということです。
常温保存でできることといえば、なるべく萌芽を遅らせること。
休眠期間を過ぎたジャガイモは発芽条件がそろえば萌芽してきますから発芽条件が揃わないようにしましょう。
じゃがいもはあくまで「茎」ですから日光を当てれば緑色になり、芽が出てきます。
休眠期を過ぎたジャガイモは10~20℃程度の温度がある日光が当たるところで発芽してきます。
従って日光が当たらない冷暗所に保存するのがベターです。
なお、萌芽をなるべく遅らせるためのコツがあります。
ジャガイモ10㎏に2~3個のリンゴを入れておくと、リンゴから発生するエチレンの働きで、ジャガイモの発芽が抑えられます。