立ち型野菜の保存

立ち型野菜は野菜が家庭菜園にあった時に近い状態にしてあげると野菜にかかるストレスが減り、上手に保存することができます。

 立ち型野菜とは、難しくいうと背地性・・
つまり、横にすると立ち上がろうとする上下感覚を持った野菜のことをいいます。
よく風などで倒れた野菜が自然に立ち上がってL字に育っているのを見かけますね。
立ち型野菜は寝かせると立ち上がろうとしてエネルギーを消費するので、
なり姿のまま保存すれば無駄なエネルギーを浪費させることなく新鮮さや栄養素を保ったまま保存できるのです。
私たちは寝ているほうが身も心も休まりエネルギー消費は少ないのですがね・・
もちろん、ぶらり野菜や土つき野菜もどちらかというと、なり姿の状態で保存した方が良いのですが、とりわけ立ち型野菜と呼ばれる野菜のタイプは必要不可欠ということです。


立ち型野菜の種類と例

葉菜類:キャベツ、ハクサイ、ホウレンソウ、レタス、など
茎菜類:アスパラガスなど
茎葉菜類:タマネギ、ネギなど
花芽野菜類:ナバナ、ブロッコリーなど
果菜類:スイートコーンなど

 

こうしてみて見ると立ち型野菜は春野菜に多く萌え出す春の生命力を感じることができますね。

 つまりアスパラガスや花菜などのように地面から新芽、芯葉が立ち上がり展開しているイメージの野菜が多いです。

 ただし、立ち型野菜として例外的に果菜類のスイートコーンがあります。
果菜類は通常ぶらり野菜に分類されることが多いのですが、トウモロコシは茎から穂軸が上に立ち上がっておりトマトのようにぶら下がってはいないので立ち型野菜ということになります。

 

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ところで、こうした立ち型野菜は果菜類とは違い、野菜の体そのものなのに注意しましょう。
つまり、果菜類は果物と同じ・・
トマトやキュウリなどは、動物に食べさせて種を拡散させ子孫を繁栄させる目的で野菜自ら作り出したもので食べられることはおり込みずみです。
これに対し、アスパラガスやブロッコリーは野菜の体そのもの・・
つまり、これから茎葉・根を生長させ大きく育つつもりだったのに無念にも途中で収穫され食べられてしまうという野菜。
だから、野菜の中でも特に生命力が強い野菜ですので命をいただく感謝の気持ち上手に保存してあげて無駄なく食べ切るようにしたいものです。

  あと、立ち型野菜として例外的なスイートコーンについて一言・・
あの甘さはトウモロコシに含まれる豊富な糖分のため・・
もぎたてのトウモロコシを立てていても収穫後1日も経過すると糖分の1%前後がでんぷんに変化し、糖分の0.5%が呼吸作用で消耗します。
あまつさえ寝かせた状態でスイートコーンは一晩おくと立ち上がろうとするエネルギー消費で甘さの成分である糖分が3割も低下してしまうので立ち型野菜として例外的なスイートコーンのスタンディングポジションは不可欠な保存方法です。

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