トウガラシ乾燥保存

 トウガラシに限らず野菜の乾燥保存は、昔から伝統的に行われてきた保存方法です。

冷蔵庫や冷凍庫がなかった昔、水分を飛ばして長期保存するという乾燥保存方法は唯一のトウガラシ保存方法でした。
また、乾燥すると単に長期保存できるというだけでなく、乾燥させることでより風味や辛味が凝縮するケースが多く、さらにかさや重量が減るという副次効果もあります。
さて、トウガラシの乾燥保存は伝統的な保存方法ですが、大事なポイントがいくつかあります。
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1.トウガラシは完熟した赤トウガラシを使うこと
 晩秋に収穫した赤く熟した実トウガラシを乾燥させるということになります。
赤トウガラシのまだ未熟なトウガラシが青トウガラシ・・
これを乾燥しても乾燥にいたるまでに赤く熟してくるし、おまけに乾燥するころには、茶色く色抜けするだけでなく、辛味や風味もなくなってしまいます。
トウガラシを乾燥保存する場合は完全に赤く熟した赤トウガラシを使う必要があります。
 2.トウガラシを乾燥保存する方法
①トウガラシを一つ一つ収穫して乾燥する方法

家庭で使用する分量のトウガラシでしたら、一株分のトウガラシが適量でしょう。
一株の収穫量ならひとつひとつ実を収穫することもそんなに大変ではないでしょう。
丁寧に乾燥保存したいのでしたら、一つ一つ収穫したトウガラシの実を大き目の竹ザルなど通気性の良い部材の上に重ならないように並べ乾燥していきます。
大事なポイントは直射日光を決して当てないこと・・
直射日光に当たるとチョコレートみたいに茶色く色抜けて見た目が悪いだけでなく赤トウガラシの折角の辛味や風味もなくなってしまいます。
a0007_000307.jpg色抜けした乾燥トウガラシ
②ある程度完熟した株を根ごと引き抜き風通しの良い日陰に逆さに吊って乾燥させる方法
収穫適期のトウガラシの株でも中にはまだ、青く未熟な青トウガラシが混在しています。
トウガラシを一つ一つ収穫して乾燥する方法は丁寧な保存方法で理想的ですが、そうした時間がない場合に有効なトウガラシ保存方法がこの方法・・
根こそぎトウガラシの株を引き抜き、根を切り離して風通しの良い日陰に逆さに吊って乾燥させる方法です。
a0007_002158.jpg上手に乾燥したトウガラシ

<一口メモ>

トウガラシはナス科トウガラシ属に属する香辛料。
コショウ、カラシとともに、世界三大香辛料といわれることも。
世界三大香辛料のなかでも特にビタミン類や食物繊維などが豊富ですが、辛味が強く多くは食べらません。
辛味成分のカプサイシンには、強い殺菌作用や抗菌作用、消化促進効果があります。
発汗作用により、体脂肪の分解や肥満の予防、美肌効果も。
学名は「カプシカム・アンニュウム」。
カプシカムとは、カプセルのように中が空洞ということでカプサイシンの語源です。
辛み成分は茎葉にも含まれるので、若い枝葉を摘んだ葉トウガラシも炒め物などにすれば、辛みを楽しむことが出来ます。

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